六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編46】北電子特有の乱数生成方式が……

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その夜、陽気なインド人が経営するインドカレー屋で巨大なナンとキーマカレーに舌鼓を打った私と裕子は、自宅のアパートへと歩いていた。

「ジャグラーってあんなに連チャンするもんなんだね」

「北電子特有の乱数生成方式があの荒波を生み出してるからな」

「……そんなオカルトの信じてるの?」

「まさか。っていうか、よくあんな台で勝てるよね、あなたは。ビッグ35回でレギュラー12回ってなんだよ。どう考えても高設定じゃないだろう。ヤメろって言ってもヤメないしさぁ……」

「だってずっと出てたんだもん。結果的に勝てたんだから正解でしょ?」

私は何も言わずに首を傾げた。その時、ポケットの中で携帯が震えた。開くと木部からのメールだった。私はそれをサッと読み、すぐに携帯を閉じた。

「木部っちから?」

「ん?……あぁ」

「どうだったって?」

「さぁ?」

「何よ!ちゃんと教えてよ!獣王打てって煽ったのはアタシなんだから、どうなったか知る権利はあるでしょ!?」

裕子が私の背中にこぶしを打ちつけた。確かに煽った以上は結果を聞く権利はあるかもしれない。だが、それ相応の責任を果たしているのかと問いたくなったが、それは飲み込んでおくことにした。

「ほれ」

私は携帯を開いて裕子の顔の前に掲げた。

━━━━━━
先輩!獣王って簡単ッスね!一撃で4000枚出て大勝ちしましたよ!彼女さんにもよろしく言っておいてください!明日からも獣王打ちますよ!
━━━━━━

読み終えた裕子が「それみたことか」と言わんばかりに白い歯を見せた。裕子の屈託のない笑顔と反比例するかのように、私の中には木部に対する不安が増大していた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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