六本木ヒルズからの七転八倒

【師弟編66】スロプーやめちゃうの?

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「みゆのヤツ、そんなこと言ってたんですか?」

「言ってた言ってた!」

「言ってないだろ!」

私が裕子を制すると、裕子は手を叩いて爆笑した。

「本当はなんて言ってたんですか?」

「だから、大事な時期なんだから……」

「『もう就職なんか無理なんだから、せめてお二人の力で立派なスロプロにしてあげてください!』って」

「みゆが言ったんですか!?」

「言った!」

「言ってない」

私が目を細めて裕子を見ると、裕子は口を尖らせて目をそらした。

「だから、就活の大事な時期なんだから、スロットなんかやってる場合じゃないだろって話をされたよ」

そう言うと、木部は下顎をだらしなく下げ、落胆したような表情を見せた。

「なんで先輩たちに言うのかなぁ……アイツ」

左手から取った二枚のコインを台に投入し、MAXベットをポンと叩いてからそう呟いた。

「いい人じゃん。っていうか、彼女なんだろ?五十嵐さん」

私が尋ねても、木部は黙って首を傾げるだけだった。木部が灰皿の中にコインを一枚追加した。リールに目をやると、左リールにチェリーが出現していた。これでますます設定5以上の可能性が高くなった。

「どうすんのー木部っちぃ?スロプーやめちゃうの?」

裕子が尋ねると、木部は苦笑いをして首を傾げた。リールを見つめる木部に、私は諭すように言った。

「設定5以上のニューパルをピンポイントで掴めるようなヤツに言うのもなんだけどさ……。俺はヤメた方がいいと思うぜ、スロプーなんか」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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