六本木ヒルズからの七転八倒

【恋慕編12】リーチ目 in 合コン

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実のところ、私の目押し力は『完璧』と言えるほどではなかった。2コマ以上の余裕があれば概ね100%の成功率ではあったが、ビタ押しを要求されると、とたんに成功率が下がってしまった。そのため、事実上ビタ押しを要求される『大花火』のような機種は敬遠して立ち回っていた。

「すごーい!アタシなんかいつも失敗して、周りから白い目で見られるんですよー」

「そうなんですか。もっと簡単な機種打つといいんじゃないですか?ハズシやらなくても差がでないようなヤツを」

「そうなんですけどー、それじゃあちょっと物足りないっていうかー」

私と裕子さんがスロット談義に花を咲かせていると、隣の杉本さんが空のジョッキで口を覆うようにして突っかかってきた。

「おーおー!若い人同士でパチスロ談義ですか!よろしいことですねー!どーせ俺はパチスロとか分かりませんからねー!」

「いや、アタシ別に若くないですから」

間髪入れず飛び出した裕子さんのその言葉に、場が笑いに包まれた。酔っ払った杉本さんはタチの悪い発言が多いが、今日はギリギリセーフといったところだろうか。

初めて打った機種、今までの最高枚数、普段打っているホールなど、ひとしきりスロットに関する話題を喋り尽くしたころで、裕子さんがドンちゃんストラップを指先でつまみながら、上目遣いで私を覗きこんできた。

「長崎さん……よかったら今度、一緒にスロット打ちに行きませんか?もっといろいろ教えて欲しいし……」

ビッグ確定のリーチ目が出現したようだ。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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