六本木ヒルズからの七転八倒

【恋慕編16】GOGO!ジャグラーデート

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「何打ちましょうか?」

「なんでもいいよー、長崎クンのオススメのヤツで」

「でも俺、普段はジャグラーとか地味な機種しか打たないんですよねぇ」

「それでいいよー、アタシもジャグラー好きだし」

裕子さんにメールを送った数日後、私たちは新宿のスロット屋の前にいた。初めてのデートがスロット屋というのもどうなのかと思ったが、二人の共通の趣味ということで、結局これに決まったのだ。

裕子さんは、淡いピンクのシャツに白のスカート、生足に紺のパンプスという出で立ちで現れた。私と同年代かそれ以下と言っても差し支えないその雰囲気に、私の心は踊った。

店内に入ると、客付きは五割程度といったところ。平日の昼間という条件ならばこんなものだろう。この店は通常営業でも高設定を使う優良店で、私自身、仕事が休みの日には足繁く通っていた。

「じゃあ、この台にしましょうか」

私は、GOGO!ジャグラーのシマの中で最も高設定に近い数値の台を探し出し、裕子さんを座らせた。その両隣の台はまだゲーム数が少ないのでなんとも言えない状況だったが、裕子さんの台の目押しをしてあげるという事態を想定して、右手でそれが行える左隣の台に着席した。

「アタシね、結構ヒキ強いんだよ」

そう言いながら、慣れた手つきでコインサンドに千円札を滑りこませた。正直、私自身の勝ち負けは眼中に無かった。裕子さんに気分よく打ってもらえれば、今日はそれだけで良かった。

「ジャグラーってココが光ればいいんだよね?」

「そうですね」

「リーチ目覚えなきゃいけない台より簡単だよね……ホラッ!!光ったよ!!」

有言実行。自分はヒキが強いと宣言してからの千円ペカり。これには感服するほかない。

「7って目押しできる?」

「ん?できますよ?でもこの台はBARを狙ってくださいね。BARを狙えばビッグもレギュラーも一度に揃えられますから」

「……BAR、見えない。揃えて」

自分の台を指差しながら肩をすくめ、上目遣いで私の顔を覗きこんできた。今日はゆっくりと話をしながら遊戯しようかと思っていたのだが、この分だと世話が焼けそうだ。そんな思いを巡らせながら、右手を伸ばして裕子さんの台にコインを一枚だけ投入し、レバーを叩いた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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