六本木ヒルズからの七転八倒

【恋慕編28】一級釣り師・裕子

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「確かめるって、面と向かって聞くんですか?ペカりましたよ」
 
「違う違う、そうじゃなくって……釣るの!ペカったのは知ってる!」

「釣る?」

「そう、釣るの。例えば、そうだなぁ……」

裕子さんは腕組みをしてしばらく考え込んだ。周りの客が、裕子さんの台で点灯し続けるGOGO!ランプを覗き込んでくる。

「例えばだけど、アタシが千夏に相談するのよ。『こないだの飲み会で知り合った長崎って男、なんかイマイチだったから、せめてお金くらい貢がせたいんだけど、何か良い方法ないかな?』みたいな感じで」

裕子さんは手のひらを上に向けながら眉を八の字に歪め、分かりやすい『嫌な女』を演じて見せた。思いも寄らない大胆な提案に、私は空いた口がふさがらなかった。裕子さんは構わず続ける。

「もし本当に美人局なんかやってる人だったら、オイシイ話だと思って乗ってくるんじゃないかな?」

裕子さんは、新しいおもちゃを買ってもらった子供のように、嬉々とした表情で話し続ける。

「どうかな?なんか楽しそうじゃない?」

そう言いながら、私の右肩を激しく揺さぶってくる。裕子さんはすっかりテレビドラマに出てくる探偵にでもなったつもりのようだ。

「そんなんでウマくいきますかねぇ?」

私は背もたれに身を預け、淡く点灯を続けるGOGO!ランプをぼんやりと眺めた。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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