六本木ヒルズからの七転八倒

【痔瘻編04】「ア゛ア゛ッ!グッ!」

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「それじゃ、診察していきますね」

年老いた院長のかすれた声が聞こえる。それと同時に、私の尻の肉をむんずと掴まれる感触があった。

「今から触診していきますからねー、ゆっくり大きく深呼吸して、全身の力を抜いてリラックスしてくださいねー」

触診……子供の頃ならば理解できなかったであろう言葉も、大人になった今ならばその意味もわかる。そして今から何が行われるのかも、概ね想像できる。

私は言われた通り、全身の力を抜き、ゆっくり大きく深呼吸した。まな板の上の鯉とはこのことだな、などと愚にも付かないことが脳裏をよぎった次の瞬間、

「……!!」

声こそ出さなかったが、全身に電気が走り、思わず硬直してしまった。何が起こったのかはすぐに理解できた。肛門にローションのようなものが塗られたのだ。それはとても冷たく、ひと塗り、ふた塗りと続けられた。私は思わず右手で顔全体を覆った。三回ほど塗られると、院長の手が私の臀部から離れた。私はホッと息をつき、硬直した身体からやっと力が抜けた……その刹那、

「ア゛ア゛ッッ!!!グッ!……」

今度こそ、声を上げてしまった。我慢することなど到底できなかった。院長の指が、私の肛門の中へと侵入してきたのだ。私は顔を覆っていた右手で口を塞ぎ、声がでないように必死で堪えた。

「力抜いてねー、リラックスしてー」

院長の優しい声と反比例するように、その指の動きは激しさを増す。深さにして第二関節くらいだろうか。私の肛門の中で院長の指がグルグルと向きを変え、回転しているのがわかった。そのたびに、私は腹の中を突き上げられるような感覚を覚え、吐き気を催した。

――神様、早く終わらせてください……

元来、無神論者である私が、名も知らぬ神に祈りを捧げ始めたとき、

「あー、これでしょ、長崎さん。ココね、わかる?」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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