六本木ヒルズからの七転八倒

【痔瘻編05】『痔ろう』だね

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院長は私の肛門に指を入れたまま尋ねた。

「ここにあるね。コレのことでしょう?」

確かに、院長の指の腹で押されている部分こそが、私が昨夜発見したシコリの場所だった。

「……はい、……たぶん、……そこ、それ……だと思い……ます」

私は口を覆っていた右手を少しだけ外し、そう伝えた。

「はーい、お疲れさま」

その言葉と同時に、院長の指が私の体内から去っていった。私は思わず「ふー」と大きく息をついた。

「じゃあ身支度してください。そこにある紙を使っていいですからね。使った紙は下のゴミ箱に入れておいてください」

看護師さんは事務的に指示を終えると、サッとカーテンを閉じた。私はすぐには起き上がれず、五秒ほど横になっていた。今起こったことを反芻しながら額に手をやると、うっすらと汗を感じた。

やはり、何かイボのようなものが出来ていることは間違いないようだ。イボ痔なのだろうか。そう考え始めると少し不安になった。私はベッドから身体を起こすと、急いで身支度を整え、カーテンを開けた。

「お疲れさまでした。お掛けになってお待ちください」

看護師さんに促され、私は院長の向かいの椅子に腰掛けた。院長はカルテに何やら記入しているようだ。チラリと横目で覗き見してみたが、日本語以外の文字は当然読めないうえに、日本語らしき文字も、字が汚すぎて読めたものではなかった。

その時、院長のペンがピタリと止まった。私は覗き見がバレたのかと思い、慌てて院長の顔のあたりに視線をやった。そんな私の動揺を知ってか知らずか、院長はゆっくりと頭を上げ、私と視線を合わせた。

「『痔ろう』だね」

「……え?」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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