六本木ヒルズからの七転八倒

【痔瘻編08】「痛ッダ!!グッゾォ!」

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「今回担当させていただきます、岡田浩二です。よろしくお願いします」 

処置室に入ると、そこには三十代後半くらいの「岡田浩二」と名乗る男性医師が待ち構えていた。先ほどの老人医師と同じ名字だ。よく見ると、どことなく顔が似ているような気がする。おそらく親子でこの病院をやっているのだろう。

「浩二先生……こちらです」

「ありがとう」

岡田浩二医師は、浩二先生と呼ばれていた。同じ名字の院長と間違えないようにであろう。浩二先生は、カルテに簡単に目を通すと、私の目を見た。

「これから、膿を出す処置を行います。五分ほどで終わる簡単なものですので安心してください。麻酔の注射がちょっとだけ痛いかもしれませんが……」

そこまで言うと、浩二先生はまたカルテに目を落とした。

「それでは、そこのベッドに横向きになってズボンと下着を下ろしてください」

私は言われるがまま、ベッドに横たわり、臀部をあらわにした。もうこれで三度目だ。ここまでくると羞恥心など無くなっていた。私は目を閉じ、右手で顔を覆うような格好をし、静かにその時を待った。

「それでは処置を始めていきますねー。全身の力を抜いて、リラックスしてください。ゆーっくりと呼吸をして……」

言われた通りに全身の力を抜き、呼吸を整える。

「最初に麻酔の注射を刺しまーす。ちょっと痛いですけど、なるべく動かないように我慢してくださいねー」

先ほどの説明よりも、少しだけ『覚悟』を求めているように聞こえた。おそらく、多少は痛いのだろう。だが、これまでの人生で何度も注射は経験している。だが、点滴の際に使う太い注射針も、歯医者での麻酔注射も、医師が脅かすほど痛くはないのが相場だ。

いや……相場なハズだった。

「ウッ……ア゛ッグア゛!痛ッダ!!グッゾォ!!ウッ……グッ」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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