六本木ヒルズからの七転八倒

【痔瘻編11】「ガ……ガン、だと?」

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院長はおそらく、手術を嫌がる患者が多いので、私も何かと理由をつけて先延ばしするのでは、と予想しているようだった。

実はこの時、今の仕事が一ヶ月後には無くなってしまうことが決まっていた。我々の業務の拠点が沖縄へと移転されるのだ。それに伴い、私はお払い箱となってしまったのだ。仕事を失うことは不幸だが、誰に気兼ねすることなく入院できるのは幸いだったかもしれない。

だが、仮に仕事を失わなかったとしても、私の気持ちは固まっていた。可能な限り早く根治しよう、と。その理由は、この第三診察室に入る前に見た、廊下に貼り出されていたポスターにあった。

『痔ろうは長期間放置すると癌化する場合があります!早目の治療を!』

普段は気にもとめないであろう啓蒙ポスターも、いざ当事者になってみると多大な影響があるものだと、身を持って知ることになった。

私は、なるべく早めに手術を希望する旨を伝えた。院長も「それがいいでしょう」と穏やかな笑みを浮かべた。

麻酔注射と処置のせいでジンジンと疼いていた臀部も少し落ち着いたところで、私は気になっていたことを院長に尋ねた

「ところで……痔ろうの、というか、その『ろう管』を治す手術というのは、具体的にはどういった感じの手術なんでしょうか?」

「エグるの!トンネルをグルッとね!」

「はぁ!?」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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