六本木ヒルズからの七転八倒

【痔瘻編19】これ、僕のお尻なんですか?

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「先生、僕の退院っていつくらいになりそうですか?」

入院生活にすっかり飽きてきた六日目の朝。回診に来た岡田先生にそれとなく尋ねた。

「そうですね、ナガサキさんは術後の経過も順調なので……それでは、来週の火曜日の退院を目標に頑張っていきましょうか」

それを聞いて、私はホッと胸をなでおろした。なぜなら、同じ病室の患者の一人が、術後の経過が思わしくないらしく、一ヶ月以上も退院できずにいるという話を聞いていたからだ。どうやら私はそのような状況に陥ることはなさそうだ。

「良かったですね、ナガサキさん。もう少しですよ!」

岡田先生の隣で、ポニーテールが揺れていた。

それからというもの、今まで以上に慎重に入院生活を過ごした。万が一、傷口が開いたりしてしまっては、退院が延びてしまうからだ。看護師の話では、お風呂の蛇口に臀部を強打してしまい、傷口から大流血、という笑うに笑えない話を聞かされていた。

その甲斐あってか、月曜日の朝の回診の際に、翌日の退院が正式に決定した。

その日の夕方、ナースステーションに呼び出された私は、岡田先生から現在の傷口の状態と、退院後の生活についての説明を受けた。

「これが、四日前の検査の時に撮影した写真です。ここが手術した箇所になりますね」

「う……っげぇ。これ、僕のお尻なんですか?グ、グロテスク……ですね」

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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