六本木ヒルズからの七転八倒

【痔瘻編21】設定6っぽいな、コレ

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――この台、設定6っぽいな……

退院した翌日、私は新宿のパチスロ屋にいた。

――周りの状況も良好だし、やっぱりこのホールは優良店だ

その日は同ホールのイベントデーだったこともあり、客付き、出玉ともに抜群の状況だった。

――でも、長時間同じ体勢で座ってちゃダメって言われてたしなぁ

退院した翌日が同ホールのイベントデーであることは、当然頭の中にあった。だが、さすがに翌日からスロットを打つのは人としてどうなのか、という葛藤が無かったわけではない。

――それにしても、生理用ナプキンって優秀だな

私は、ボクサーパンツに生理用ナプキン(夜用)を装着することで、退院翌日からのスロット実践を可能とした。もちろん、入院時にもらった大きめのガーゼのようなものもあるのだが、代替品として生理用ナプキンを利用するようにと医師からも説明があったのだ。

――まったくズレないし、なにより安心感が凄い

傷口が完全に塞がっていない状態のため、何かの拍子に出血してしまうことが大いに考えられる。しかし、この生理用ナプキン(夜用)を装着していれば、スボンを汚してしまう心配は皆無と言っていい。

――ほら、またペカったよ。こりゃあ閉店コースだなぁ

ビッグボーナスを消化し終え、ドリンクホルダーに手を伸ばすと、コーラが空になっていた。何か飲み物でも買ってくるかと台上に置いていた肩掛けバッグを手にした時、開けっぱなしになっていたファスナーの隙間から、何かが足元に落ちた。

それに気がついた隣の男性が、親切にもそれを拾い上げようと、身体を折り曲げて椅子の下に手を伸ばした。次の瞬間、それが何なのかに気がついた私は、慌てて男性の手を払いのけるようにそれを奪い取り、ポケットへとねじ込んだ。

「だ、大丈夫です!ありがとうございます!」

訝しげな顔で私を見る男性に軽く会釈をし、私は自動販売機へと早足で向かった。自動販売機の前で、私はズボンの上からポケットを擦って、深いため息をついた。

――予備は、バッグの奥の方に仕舞っておくことにしよう

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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