六本木ヒルズからの七転八倒

【落札編10】おけら街道の由来

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高すぎるビーフカレーを全て胃に収め、私たちは午後のレースに臨んだ。
だが、昼食に高い金を出したご利益も無く、ふたりとも虚しく撃沈を繰り返した。

特に私の馬券は酷かった。第8レースでガチガチの本命馬券を的中させただけで、それ以外のレースではかすりもしなかった。
裕子はというと、持ち前のギャンブルセンスで何度が好配当を的中させていたが、プラス分を全て最終レースに注ぎ込んで玉砕するという最悪の結末を迎えてしまった。

すごすごとS指定席を後にし、重い足取りで駅へと向かう。

「なんで止めてくれなかったのよ……」

裕子がふてくされるように言った。

「止めたじゃん。ちょっとくらいプラス分残しときなって」

「だって、かが5000円のプラスだったんだよ?そんなんで帰れないでしょ」

「だからって、馬連一点に5000円も賭ける必要あったか?買うにしても、もうちょっと手広く……」

そこまで言うと、裕子は口を尖らせて黙り込んだ。そもそも一日競馬を楽しんでチャラで終えた人に対して、大負けした人が諭すなど愚の骨頂だ。自分の馬券下手に話が及ぶ前に、私は少しだけ話しをそらすことにした。

「競馬場から最寄りの駅までの道のことを『おけら街道』っていうの、知ってる?」

「なにそれ?そもそも『おけら』って何よ?」

口に出してから、話をそらすことに失敗していることんい気づいた。

「おけらっていうのは……」

おけら街道の由来を話し始めたとき、視線の先に見覚えのあるリュックが目に入った。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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