六本木ヒルズからの七転八倒

【落札編29】クソ不味いラーメン屋

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塩村が食事休憩に出てから30分ほどが経ち、私の仕事もちょうど一区切りついた。いつもならば、店が混む時間帯を避けて十三時以降に休憩を取るのだが、仕事が無いのにただ椅子に座っているわけにもいかない。

私は足元に置いたバッグから財布を取り出し、美瑠希の方を見やった。
美瑠希もそれに気づいて、こちらに視線を向けた。

「休憩行ってくる」

「はーい」

美瑠希から気の抜けた声が返ってきた。上司としての威厳はまったく感じられないが、正直カワイイと思ってしまう。

「戻ってきたらまた新人教育よろしくね」

美瑠希は口角を上げて続けた。

「了解」

私は短く返して部屋を出た。

外の空気を吸うと、やはり気分がリフレッシュする。一日の労働時間の中で、やはり二三回は外の空気を吸うべきだな、とあらためて感じた。

歩道を歩きながら今日は何を食べようかと思いを巡らせたが、どうも普段よりも人の数が多い気がする。何かイベントでもあったかなと考えたが、特に何も思い当たらない。

だが、こんな日にうっかりラーメン屋にでも入ってしまうと、ギュウギュウ詰めのカウンター席で隣のサラリーマンと肩をぶつけながら麺をすすることになってしまう。それだけはゴメンだ。仕方なく私は、今日の昼食をコンビニ弁当と決めた。

適当な弁当とお茶を購入し、職場へと戻る。職場が入居するビルの一階でエレベーターを待っていると、背後から「あっ」という声が聞こえた。

振り返ると、コンビニ袋をぶら下げた塩村の姿があった。

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長崎 正吾

  • 名前:長崎 正吾
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  • 1978年生まれ。34歳の夏、職を失う。20代の頃にスロットで生活していたことを思い出し、フラリとホールへ舞い戻る。そのままスロット生活者へ。基本的にはジャグラーシリーズのみを打つスタイル。スロットで糊口を凌ぐ傍ら、iPhone/Android向けアプリ「ジャグラーで喰う技術1&2」をリリース。

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