©️車田正美・東映アニメーション, ©️SANYO

最近めっきり見ることはなくなってしまったが十数年以上前だろうか、定期的に「中国雑技団」なる集団がテレビで凄技を披露していた。軟体人間、皿回し、コマ回し、ツボ回しなど、寿司以外の回せるものはすべて回している印象で、なんなら歌番組すら回していたんじゃないかとおぼろげな記憶があるが、とにかくその凄技に見入っていた記憶がある。

雑技団のメンバー全員が凄技をできるわけで、まさにオールスターと例えるに相応しい集団だったのだが、彼らに影響を多分に受けたのだろう。中学生の時、オールスターのことを「まるで中国雑技団やね」と例える友人がいた。

城麻美と憂木瞳が一緒にテレビに出ていれば「深夜番組の中国雑技団やね」と。それを聞いて、おいおい雑技団は言い過ぎやろと、内心ツッコんでいたのは他人が流行発信源になることに対しての中学生ならではの嫉妬からくるものではなく、葉山レイコいてこその中国雑技団やろという、ささやかな抵抗からだったと記憶している。

むしろ、彼女たちにお世話になった身としては、中国雑技団こそ「サーカスのギルガメッシュないとやね」と例えるべきだと思っていた。

その番組に対する感謝・畏敬の念は中年になった今でももっており、ことあるごとに「ギルガメッシュないとやね」と胸の内で例えていた。

あの日の「パチスロ聖闘士星矢海皇覚醒」コーナーもそうだった。打っていたのは小太りの自分、ケツメドを締める限界を迎えたサラリーマンのノックと同じくらいの勢いでレバーとボタンを連打する「連打マン」、右手で中・右ボタンを左手で左ボタンを押す「スイッチヒッター」の3人。

まさに奇人変人のオールスター。聖闘士星矢海皇覚醒のギルガメッシュないとだったわけだ。ただ重要なのはそこじゃない、その日は今までのホールの法則に照らし合わせれば、星矢に設定6が入る日。だれがその6をつかめるのか、だれが飯島愛のポジションに就けるのかどうかだ。

そんなこんなで開幕した低レベルな争いで先制したのは「連打マン」。朝イチ高確中に引いたチャンス目でいきなりGBを当てる。このGB中に456確演出が出やしないか、SRに突入してしまわないか、そんな心配をヨソにGB継続率は50％でGBは3戦目負け。順押しのくせしてアンタは時折左ボタンが止まる前に中ボタンを止めるおっちょこちょいさんだからGBを通せないんだよ、と内心で小バカにしていると、今度は「スイッチヒッター」が小宇宙ポイントマックスからGBを引き当てやがった。プロ野球界以外で両打ちを極めたって褒められねぇぞこの野郎、と思っていると、こちらも継続率60%のGBを突破できず。

ほぼゲーム差なしの3人だが、いまだ初当りすらひけない自分をよそ目に、再びスイッチヒッターがGBを引き当て、しかもそれを突破。ペガサス覚醒も+220Gと十分にヤレるゲーム数。

まだ誰一人として高設定の要素は出ていないが、パチスロ聖闘士星矢海皇覚醒なんてリセットの恩恵を受け、朝一から高レベルのGBを引き当てるか、不屈ポイント中以上を獲得していればそれで十分。いや朝イチGB継続率が50%だろうとGBさえ突破できればそれで十分なのである。

そしてようやく自分も天井からGBの初当りを射止める。このGBは継続率60%だが、「セインセイヤーッ」が流れてSRに突入。連打マンよ、高橋名人と同じ時代に生まれていたらきっとアンタはスターだったよ。スイッチヒッターよ、野球界に進んでいたら草野球のエースくらいにはなれたかもな。と、胸の内で働いた今までの数々の無礼を詫び、SRを堪能した。

結果+650枚

高設定要素は何一つ出なかったが、SR中に連打演出が見られたので十分な1日となった。なんなら456確を出したスイッチヒッターもSRを取り切り昼頃にはヤメていったし、連打マンは朝一恩恵がないとわかるや1回目のGB後すぐにヤメていった。

この日のパチスロ聖闘士星矢海皇覚醒の島には、誰一人として設定6を狙っているようなヤツはいなかったのだ。この日の聖闘士星矢海皇覚醒コーナーは、聖闘士たちのギルガメッシュないとなんて大層なものなんかじゃなく、合コンの数合わせ集団という表現が正しいかと思う。